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子どもの発達ナビ〜発達障がいのこと〜policy

発達障がいについて

 発達障がいは、自閉症スペクトラム障がい、学習障がい、注意欠如多動性障がいなど、脳機能の発達に関係する障がいです。
 発達障がいのある子どもは、他人との関係作りやコミュニケーションなどが苦手だったり、行動が激しく、注意を集中することが難しかったりします。また特定の事柄にこだわりを持ち、感覚の過敏さ、または鈍感さを持つことがあります。
 発達障がいの中でも、知的発達の遅れのない(もしくは軽度)子どもたちは、見ただけではわからないため、理解されにくかったり気づかれにくかったりします。そのため、「子育ての失敗」「愛情不足」「本人の努力不足」などに誤解されることが多く、子どもたちも保護者も傷ついてしまうことがあります。当然ですが、発達障がいは子育ての失敗でも愛情不足でもありません。もちろん本人の努力不足ではありません。
 発達障がいのある子どもは、発達のアンバランスさがあり、社会的に困難な状況になることが多いですが、一方で優れた能力を発揮する場合もあります。
 発達障がいのある子が、その子の個性を生かし、自立していくためには、早期発見早期支援が必要です。そのためにも社会全体が発達障がいについて、正しい理解をすることが重要と言えるでしょう。


自閉症スペクトラム障がい(ASD)

 自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障がい、特定不能の広汎性発達障がい、アスペルガー症候群(アスペルガー障がい)を、まとめて自閉症スペクトラム障がい(ASD:Autism Spectum Disorder)と言います。
 自閉症スペクトラム障がい(ASD)の特徴は以下の通りです。

・ 人への反応やかかわりの乏しさ、社会的関係形成の困難さ
 親はもちろん、身近な人たちとの交流が苦手です。子ども同士で遊んだり、親からの働きかけにうまく反応できなかったりします。視線が合わない、笑顔を交わし合うことができない、などの特徴があります。言葉の遅れがあったり、言葉の使い方が普通と違ったり(年齢から考えて難しい言葉を好む、コマーシャルの言葉などをすぐに覚えて繰り返す)することがあります。

・ 興味や関心が狭く、特定のものにこだわること
 通常とは違った遊び方をすることが多いです。例えば特定のものを手放さない、おもちゃを期待される使い方以外で遊ぶ(例えば、ミニカーを走らせないで、ただ並べて遊ぶ)、見立て遊びが難しいなどです。扉の蝶番、車のタイヤなど、限られた物にばかり興味を持つこともあります。
 こうしたこだわりは、遊びだけに留まらず、着る物(いつも同じ色の服しか着ない)、食べ物(偏食が激しい)、道(いつも同じ道を通りたがる)、予定(いつも同じ順番で日課をこなす)等のあらわれとなります。
 これらのこだわりを無理にやめさせると、泣いたり叫んだり、激しく暴れたりして、いわゆるパニックを起こすことがあります。

 こうしたことに加えて、感覚の過敏さや鈍感さ(痛みを感じやすい、逆に鈍感で感じにくい)、感情コントロールの難しさ(パニックを起こす、泣き叫ぶ、あるいは感情の起伏が少ない)、行動コントロールの難しさ(動きが激しい、衝動性が高い)、睡眠障害(よく眠れない、または眠ってもすぐに起きてしまう)などの特徴を示すことがあります。

《自閉症スペクトラム障がい(ASD)の子どもに多いあらわれ》
注:こうしたあらわれがあるからといって、自閉症スペクトラム障がいであると断定することはできません。疑いがあると感じられたら、すぐに専門家に相談しましょう。

・対人関係の問題
 集団行動ができない  自分から人にかかわりを求めることがない  人がかかわっても無関心
 視線を合わせることが少なく、合わせても瞬間的である  1人にいることに抵抗がない
・言葉やコミュニケーションの特徴
 独り言が多い  オーム返しをする  コマーシャルなどを覚えて喋り続ける  話し言葉に抑揚がなく一本調子
 名前を呼んでも振り返らない  言葉が全くない  
・行動の特徴
 同じ行動をしつこく繰り返す  急に泣き出したり笑ったりする  パニックを起こす
 いつもと違う行動をさせようとすると抵抗する  自傷行動がある  音や痛みに敏感または鈍感
 特定な物や奇妙なものに執着を示す(砂いじり、水遊び、文字、数字、時計、機械、色、テレビ、キャラクターなど)
 奇妙な癖、行動がある(首かしげ、横目、手かざし、においをかぐ、行ったり来たりするなど)
 自己刺激行動がある(指しゃぶり、ぴょんぴょん跳ぶ、手をひらひらさせる、奇声を発する、ぐるぐる回るなど)

 自閉症スペクトラム障がいについて、M-Chat(乳幼児自閉症チェックリスト)を用いることで、傾向を把握することができます。また自閉症スペクトラム障がいの子どもの中には、てんかん、注意欠如・多動性障がい(後述)、学習障がい(LD)を併せ持つことも少なくありません。

・ 我が子が自閉症スペクトラム障がい(ASD)かもしれないと思ったら
 自閉症スペクトラム障がいの疑いがあるからといって、悲観する必要はありません。また母親(保護者)が責任を感じたり逆に周りが母親の子育てが不十分であると責めたりすることは全く意味のないことです。(自閉症スペクトラム障がいは、脳の機能障がいです)また、自閉症スペクトラム障がいを理解せずに、無理に訓練をさせたり叱りつけたりすることは、お子さんにとって意味がないことであると同時に、場合によっては悪い影響が出ることがあります。
 自閉症スペクトラム障がいであろうとなかろうと、かわいい我が子であることにはかわりありません。また、我が子の将来の幸せを考えることも、我が子にあった子育て(教育)を求めるべきであることも、かわりありません。また自閉症スペクトラム障がいに限らず、こうした特性は早く見つけ、早く対応することが大切です。(早期発見早期支援の原則)
 よって疑いがあると思ったら、なるべく早く専門家に相談をすることを勧めます。

・ 自閉症スペクトラム障がい(ASD)の理解と支援
 自閉症スペクトラム障がいの子どもといってもそのあらわれは様々です。1人1人を理解し、1人1人に合った支援をすることが大切です。そのためにも、そうした子どもの発達に詳しい専門家に相談することが大切です。
 自閉症スペクトラム障がいの子どもに対応した療育機関もありますし、保健師も相談に乗ってくださいますので、早めの相談を心がけてください。なお就学(小学校の入学等)に関する相談は教育委員会で行っています。


注意欠如・多動性障がい(ADHD)

 注意欠如・多動性障がいは多動性、不注意、衝動性などのあらわれが特徴で、こうしたあらわれが少なくとも2つ以上の場所(例えば家庭と幼稚園など)で見られる場合を言い、小学校入学前後に見つかる場合が多いとされています。これは、集団行動が多くなり、じっとしている、みんなと一緒に過ごすなどの社会的ルールを守らなければならない場が多くなることで目立ってくるためであると考えられています。
・ 多動性 じっとしていることが苦手で落ち着きがない
・ 不注意 集中力が続かない、忘れっぽい、気が散りやすい
・ 衝動性 思いついたときには行動している 考えずに動いている

 この3つのうち、不注意が目立つ「不注意優性型」、多動性と衝動性が高い「多動性・衝動性優性型」、3つの症状全てが見られる「混合型」があります。

《注意欠如・多動性障がい(ADHD)の子どもに多いあらわれ》
注:こうしたあらわれがあるからといって、注意欠如・多動性障がいであると断定することはできません。疑いがあると感じられたら、すぐに専門家に相談しましょう。

・多動性
 じっとしていられない  食事の時に座っていられない  手や足をいつも動かしている
 過度に走り回ったり何かに登ったりする  静かに遊んだりおとなしく参加したりすることが難しい
 絶えず動き回っていて「モーターに駆られたような行動」のように見える  過剰に喋り続ける 
・不注意
 細かいところに気づかない  勉強や遊びに対して集中するのが困難(自分の好きなことには集中できることも)
 話し掛けられたときに聞いていないように見える  指示に従うことができない 
 言われたことを最後までやり遂げることが難しい   課題や活動を順番にできない
 物をよくなくす   外からの刺激ですぐに気が散る(物音、動きなど)   忘れっぽい
・衝動性
 質問が終わるのを待たずに答えてしまう   自分の順番が待てない  他の人を遮ったり邪魔したりする
 やってはいけないとわかっているのに瞬間的に行動してしまう


・ 我が子が注意欠如・多動性障がい(ADHD)だと思ったら
 注意欠如・多動性障がい(ADHD)だからといって悲観する必要はありません。また、母親(保護者)が責任を感じたり、逆に周りが母親(保護者)の子育てが不十分であると責めたりすることは全く意味のないことです。(注意欠如・多動性障がい(ADHD)は脳の機能障がいです)また注意欠如・多動性障がい(ADHD)であることを理解せずに、無理なことをさせたり叱りつけたりすることは、意味のないばかりか悪い影響を及ぼすことがあるので、注意しなければなりません。
 よって、最も大切なことは、子どもの発達についての専門家に相談し、お子さんにとってどのような支援が良いのか、アドバイスを得ることです。
 注意欠如・多動性障がいには、良く効く薬がありますが、そのことを含め、医師に相談することが良いでしょう。
 → ADHD.co.jp(ADHD情報サイト)


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