不登校ソリューション

学校が抱える不登校の問題を支援する包括的アプローチ

不登校は、学校現場が抱える喫緊の課題です。文部科学省の調査によると、R3年度で全国で24万人を超え、中学生の5%(20人に1人)とのこと。
不登校について、児童生徒の個人要因と教室環境や教師の行動など、学校環境要因の両方から多角的に捉え、予防、早期発見、介入の3段階(RTIモデル)でのアプローチを推奨します。

不登校のケーススタディ

CASE 1

大人しい生徒が多く、問題も少ないのに、なぜか不登校が多い中学校

A中学校では、地域や家庭の状況がよく、生徒も学力、行動面でほとんど問題が見られなかったが、不登校だけが多く、原因がよくわからない。教師と生徒の関係もよく、授業にも問題なく参加している様子で、対策を立てようにも、どこから取り組んで良いかわからない状況にあった。

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調査により課題が明確化。改善策を実践し、学校風土が向上

学校風土調査を行ったところ、授業について、生徒が不満に思っていること、特に授業を面白くないと思っている生徒が多いことが明らかになった。つまり生徒は表面上は授業参加も行動も問題ないが、かなりの我慢をしていて、その我慢が限界に達した時、突然、不登校という形をとっていた可能性が高かった。
これを受けて、授業改善、中でも教師の一方的な授業を改め、生徒の活動を増やし、生徒の考えを表明するチャンスを作ったり、脳機能モデルに沿って、生徒の情動が刺激されるようにした。
年度末に再度学校風土調査を行ったところ、全体的に学校風土が改善していたため、教師たちは実践に自信を持つことができた。定期的な調査で確認をしながら授業改善の実践を続けたところ、新規不登校出現率が大きく減少した。

CASE 2

問題行動のある児童を中心に、学校が回らなくなり、不登校も増えている小学校

B小学校では、特定の児童の問題行動が激しく、その児童の問題に担任のみならず、管理職も右往左往している状況にあった。しかもそうした問題を起こす児童が増えると共に、その児童の在籍する教室を中心に、教室に入れなくなる児童、不登校になる児童が増えている状況にあった。

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調査をもとに指導方法を改革。不登校児童が減少

学校風土調査を行うことにより、問題行動が激しい児童が在籍する教室だけでなく、多くの教室で、教師と児童の信頼関係、ルールの設定やその指導に関して困難な状況にあることがわかった。そこで教員研修で行動科学の考えを学び、ルールに関する指導を、これまでの厳格な叱責を中心とする指導から、良い行動を示し、導く指導へ大転換を行った。また、こころの健康観察NiCoLi及びこころと体の連絡帳デイケンにより、問題行動等はないが、そのリスクを抱えている児童を把握し、予防的に関わることにより、学校全体が落ち着きを取り戻し、教室に入れない児童、不登校児童も減少しはじめた。

CASE 3

貧困層の生徒が多く、不登校も他の問題行動も頻発し、対応に苦労している中学校

C中学校の学区は、貧困層が多い地域であり、実際に、経済的に困難な家庭環境の生徒が多い上に、虐待を受けて育ってきた生徒、発達障がいの疑いの強い生徒が多く、学校全体の学力も市内で最も低い状況にある。そのため、不登校だけでなく、いじめ、暴力、非行が頻発し、教師にもあきらめムードが漂っている。

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複数の調査により、生徒の状況を把握し介入。信頼関係が高めた

学校風土調査をしたところ、思ったより生徒が先生たちを信頼し、学校を楽しんでいることが明らかになった。これまでの疫学統計学の研究によって、それらが大きな発達の保護因子であることが明らかになっているが、その事実を教師集団が理解することにより、教師も生徒を信じて、生徒と教師が一体として行える行事の設定などを行った。同時にこころの健康観察NiCoLi及びこころと体の連絡帳デイケンを行うことで、一人一人の生徒の状況を注視し、データに基づいて面談等を行ったり、生徒の援助要請に細かく応じたりしたところ、次第に学校全体が落ち着くようになり、不登校も問題行動も減少し始めた。年度ごとに定期的な学校風土調査を実施したところ、それまでの強みであった教師と生徒の信頼関係が更に高まっていることが明らかになった。更には、生徒同士のかかわりについての評価もあがっている。

不登校対策をする3つのステップ

不登校の予防や早期支援、不登校児童生徒への個別介入には、正確なアセスメントが欠かせません。不登校の要因は複雑であり、児童生徒一人一人の困難さの把握だけでなく、学校環境に対する視点が必要です。そのため、複数の調査を組み合わせ、RTIモデルによる多層的なアプローチを行うことを推奨します。

  1. STEP1.評価・調査
  2. STEP2.分析
  3. STEP3.実践介入

STEP1. 評価・調査

NiCoLi」及び「デイケン」により、児童生徒の状況やリスクを把握し、「学校風土調査」により環境の強みと弱みのアセスメントを行い、多角的に状況を把握します。これらは科学的に信頼性妥当性が保証されていることから、説明責任を果たすことが可能であると共に、学校評価等にも使用可能です。

STEP1.評価・調査図

STEP2. 導入

NiCoLi」により子どものメンタルヘルスの状況を、「デイケン」により日々の子どもの状態や支援ニーズを把握し、リスクのある児童生徒の早期発見や一人一人のリスクを明らかにします。「学校風土調査」の分析で学校環境、各クラスの強みと弱みが明らかになることで、教師が行うべきことが明らかになります。

STEP2.導入

STEP3. 実践介入

分析結果を受けて、児童生徒一人一人への支援方法、学校環境で改善すべきこと、教師が行うべきことが明らかになり、それに合わせてパッケージ化された支援プログラムが提供されます。

STEP3.実践介入図

調査ツール

私たち子どもの発達科学研究所では、科学的根拠(エビデンス)に基づいた様々な調査ツールをご用意しています。
児童生徒一人ひとりのこころから、学校全体の健康状態まで、信頼性の高い評価分析結果を提供し、先生方の日々の取り組みを強力にサポートいたします。

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