いじめソリューション
学校が抱えるいじめ予防や早期介入を支援する包括的アプローチ
いじめは、被害に遭った子どもだけでなく、加害者である子ども、それを見ていた子どもに対して、将来に渡るネガティブな影響を与えることが数々の研究でわかっています。つまり、いじめは、今、そこにある問題であるとともに、子どもたちの未来に関わる課題です。
研究所のアプローチは、世界中で既に科学的根拠があるとされているいじめ予防プログラムを参考に、日本の教育現場で取り組み可能、かつ効果が高い具体的方法を提案します。

いじめのケーススタディ
CASE 1
いじめが頻発し、子ども同士の問題が、保護者間の争いにもなり、対応に苦慮している小学校
E小学校では、低学年から高学年まで、小さないじめの訴えが頻発している。担任が丁寧に対応しているはずだが、担任によって見逃しがあったり対応がうまくいかなかったりし、それが教育委員会への訴えや保護者同士の争いに発展し、管理職を含め、教師がそうした対応に疲弊している。
教師向けのいじめ対応のトレーニング+調査の継続で改善
学校風土調査といじめ調査、こころの健康観察NiCoLiを行い、冷静に状況を把握した。同時に全職員がいじめに関するトレーニングを受けることで、いじめの定義、対応の原則や方法を確認した。調査の結果から、教師のいじめ対応に一貫性がないこと、児童の心理教育が十分でないことがわかったことから、いじめ予防プログラムTriple-Changeを導入。いじめ予防授業を全教室で行うと共に、NiCoLiの結果から、メンタルヘルスにリスクを抱える児童について、個別もしくはグループでの指導支援を行った。こうした取り組みについて、保護者に発信し、協力を得ることにより、いじめ問題が激減した。いじめについて、継続的な観察が必要であるため、いじめ調査を定点観測的に実施し、予防的な取り組みを継続している。
CASE 2
いじめ重大事態があり、被害生徒への支援、加害生徒の指導に苦慮している他、保護者も生徒も学校に対して批判的になっている中学校
F中学校では、数ヶ月前に、被害生徒の自殺未遂があったいじめ重大事態が発生し、ニュースにもなり社会的な批判に晒された。その重大事態における被害生徒への支援、加害生徒への指導は、それぞれの保護者の意向、社会的な批判の中、混迷している。また重大事態のあった教室を中心に、生徒や教師が互いに疑心暗鬼になり、いじめの訴えが急増し、教師のメンタルヘルスも悪化している。
調査結果を保護者等にも開示。いじめ対策トレーニング等により改善
校長が教育委員会と連携のもと、いじめ対策に科学的な知見を入れることを宣言し、全職員がいじめ対策に関するトレーニングを受けた。また学校風土調査といじめ調査、こころの健康調査NiCoLiを実施し、現場把握を行った。そうした調査結果を保護者等にも開示した上で、いじめに対して、どうすべきなのか、既に起きてしまった重大事態の対応としてどうすべきなのか、また同じことを繰り返さないためにすべきことを、教師が共通理解し、保護者及び生徒に対して真正面から説明を行った。困難な時期はあったが、科学という拠り所を持つこと、科学的調査により現場を把握、共有することで、学校再生を果たすことができた。
CASE 3
取り立てて問題は見えないし、いじめ事件が頻発しているわけではないが、教室によっては雰囲気が悪く、リスクを感じる小学校
G小学校は、平均的な学校であり、いじめについても、時々、問題は起きているものの、深刻化することなく済んでいる。しかし校内を見回すと、昔ながらの強い指導をしているベテラン教師の教室では、子どもたちが萎縮している様子が見られるし、逆に若い教師の教室では、子どもたちが規律なく行動していて、いじめをはじめとする、様々な問題のリスクを感じる。
複数調査による現状を把握し、学級経営の課題に取り組み、改善へ
学校風土調査及びこころの健康調査NiCoLiを行うことで、教室、学年及び学校全体の状況を把握した。表面上は問題ないように見えても、学校風土の良くない教室、メンタルヘルスの状況が悪い子どもが多い教室が明らかになった。学校風土が良くないとされたクラスの担任の中にはショックを受ける者もいたが、丁寧に状況を説明すると共に、教師集団全員でフォローすること、やるべきことを明確に示すこと、行動科学を取り入れたトレーニングを受けることで、前向きになり、ベテランも若手教師も、同じスタンスで学級経営に取り組むようになり、いじめそのものの認知件数が減り、校内のリスクも感じられなくなった。
いじめ予防をする3つのステップ
いじめが起こるメカニズムは発達段階や環境によって異なるため、いじめの予防は非常に難しいものだと言われています。研究所のアプローチは、いじめの要因を分析した研究に基づいて、学校風土と子どものメンタルヘルスに対するアセスメントを起点とするだけでなく、実際のいじめの状況を科学的に正しく把握するところから始めるため、ターゲットが明確であると共に具体的な成果を数値で確認することができます。
- STEP1.評価・調査
- STEP2.分析
- STEP3.実践介入
調査ツール
私たち子どもの発達科学研究所では、科学的根拠(エビデンス)に基づいた様々な調査ツールをご用意しています。
児童生徒一人ひとりのこころから、学校全体の健康状態まで、信頼性の高い評価分析結果を提供し、先生方の日々の取り組みを強力にサポートいたします。
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